鍛冶屋さんでの現地調査に同行しました!

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2010年04月15日 19:17

人吉球磨地域は、700年も続いた相良文化が色濃く残る

地域ですが、あさぎり町内にもその伝統文化を感じることが出来る鍛冶屋さんがあります。

 そこは、国道219号線のあさぎり町役場入口にあります「樺山鍛冶工場」

です。ここは、市房山が隠れて見えないほど急な坂だったところで、この場所

から免田式土器が多数出土したことから「市房隠れ遺跡」とも呼ばれている

ところです。

 本日、県庁と伝統工芸館等の職員さんが来られ、熊本県の伝統的工芸

品の指定にかかる現地調査が行われました。そこに、私も立ち合わせて

いただき、伝統的技法などを伺うことが出来ました。

 いろんな鍛冶技法がある中で、今回は庖丁の製造について、説明を受けました。

 まず、鉄を熱するため、コークスを入れて温度を約1000℃近くまで上げていきます。





 次に、熱せられた鉄の中央部分に鋼を入れるため、切込みを入れていきます。





 切込みの入った部分に鉄蝋(接着剤のような粉)を降りかけて、再度、鉄と鋼を熱して

いきます。






 次に、真っ赤に熱せられた鉄と鋼は、機械を使って叩き、馴染ませながら薄くしていきます。





 薄くした鉄と鋼は、ある特殊な泥を塗って乾燥させて水につけて、再度、約200℃まで

熱していきます。









 今回はここまでの作業の様子を取材しましたが、一本の庖丁を仕上げるまでにいろんな

手作業の中で、繊細な感覚が要求され、手に技術を持つこということが、どれだけ難しく

そして、根気がいるものか改めて感じることが出来ました。






 また、樺山鍛冶工場の自宅2階には、樺山 明さんが作られた作品や商品がずらりと並べられ

ており、薪ストーブに使用する小型タイプのスコップやほうきの柄などを鉄製で作られており、

お部屋のインテリアとしても雰囲気のいい商品もたくさんありました。






この他、これからの梅雨時期にマッチしたカタツムリや、クラゲ型をした風鈴など樺山さんの

センスが感じられるとても癒される商品もあります。









鍛冶工場では、鉄製品を作られるということで、一見硬いイメージを感じてしまいそうですが、

若い後継者として特殊な技法を身につけられ、人情味溢れる樺山鍛冶工場の3代目として

ご活躍されておりますので、ぜひ、足を運ばれてみてはいかがですか?





写真左側が3代目の樺山 明さんと、右側が2代目の樺山五昭さん


リブラ工房HP⇒ww7.tiki.ne.jp/~libra/


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